国際ハートエキスポ2007
ファッションショー事業への参加記録
2007年7月、特定非営利活動法人CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンが主幹となり、実行委員会形式で実施された、国際ハートエキスポ2007石川というチャリティーと国際協力協働事業に参加し、7月8日の金沢市観光会館にて行われたチャリティーステージを飾る、ファッションショー事業を担当しました。
このファッションショー事業は、カンボジアの村への人道支援事業活動に参加し、手織りシルクの村の訪問(2006年5月)から始まりました。そして、仲間を呼びかけ、プレ・イベントと称した、ミニステージでこのシルク生地を使ってデザインした衣類を試作披露(2006年9月)。協力、参加、メディアへの働きかけを仲間と手分けして続け、2007年7月、2000人の観客席を臨む本格的ステージで、ファッション専門学生対象のコンテストを行い、他の音楽やダンス部門を担当した仲間と、ミュージック&ファッションショー(カジュアル〜フォーマル〜着物〜ウェディング)を行うことができたのです。
デザイン、パターン(製図)、縫製、モデル、コーディネート、そしてステージ構成や音楽、と、規模は小さくても全ての作業、工程をふまなければ、たとえ試作のプレ・イベントのステージでもショーにはなりません。ボランティアメンバーを探すのにも一苦労。最初は、本当に数名からはじめました。それぞれに、仕事や家庭がある以上、限られた時間で、全く離れた地域に住む者同士でプロジェクトをすすめるのは至難の業。
ファッション業界で十数年仕事をしていたので、だいたいの察しはついていたものの、メンバーのほとんどは趣味で裁縫をする程度か、現役を退いて長くたってしまった素人集団。大変でしたが、終わってみれば楽しい思い出です。中心で動いたのは、40代、50代の女性。あんなに、底力が残っていた?!と、思わなかったですね。
それから、開催地(各メンバーには縁はない地)が石川県とあって、そこにアプローチするのも一苦労でした。自分達が経験した、専門学校時代(ファッション)を思い出し、地元の学生達にも参加してもらおうと働きかけましたが、なかなか前に進みませんでした。
やっと、メンバーの出身校系列でもある、金沢文化服装学院が、開催の5ヶ月前になって手を上げてくれました。それから、学校訪問や説明会を繰り返し、まずは、カンボジアのどんなところでどんな風に織られた生地かを知ってもらったり、人道支援について、なぜこのイベントを開催するかの意義を理解してもらわなければいけません。
学校側とのミーティングを重ね、学生には、クメールシルクを使って学生が作品を作り、コンテスト形式でステージ発表する、という企画で参加してもらうことになりました。専門学校の学生達とも、自分達の学生時代とどうしても比べてしまい、熱のなさにやきもきしてみたり...。
しかし、ミャンマーからの研修生が実際に来日し、学校訪問をしたあたりから学生にも変化が見え始め、独自にハートをテーマにコラージュを作ったり、コンテスト作品作りにも力が入ってきたようでした。
当日1週間前には、カンボジア、スリランカからも子ども達やNGO関係者の人たち30名が来日し、学校を訪ねたり、リハーサルをやっているうちにだんだん盛り上がってきたのをよく覚えています。また、現地協力NGOとしてつながりのある、カンボジアのプリンス・プリンセスが来日し、学校訪問して下さったことも、学校側の励みになったかもしれません。
カンボジアの村にも、開催までに2回訪れました。ここで色んな問題点も見えてきました。ファッションショーイベントを成功させたい!という気持ちがあって、この生地が使いたい!!と、思っても、NPOの支援は、技術的な指導でも、買い付けでもないので、作った人がごまかしたり、うそをついたり、または、汚れが反物の中で少しでもあったら、引き取らないのです。
また、あの暑さの中、反物を全て広げて計り直し、品質チェックをする作業は、大変でした。買い物気分でいるとえらいことになります。村のペースと何が自立になるのかを最優先させ、支援を行う...。そこから、よく出来たものだけ引き取ることにより、村の人たちが収入を得ることができる。というわけです。
交通は木の小船だけ、というこの貧しい村で、一生懸命向上しようと努力して織られたシルク。それを汗水流して指導、支援するNPO活動...。色が落ちる、縮む、ほつれやすい...、いろんな問題がいっぱいのシルクですが、現地を見て、人々に触れて、自分も汗を流すと、そんなシルクでも何とか生かそうと必死になります。
この村のシルク支援の苦労もさることながら、アジアの途上国から子ども達やNGO関係者が30名も来日したり、全国各地から200名のスタッフが集まる大きな事業。お金を使わず、みんな「自分が何ができるか」を実践するために集まった素人集団。ある分野のプロはいても、横にその分野でつながりがあるわけでもなく、団体的にはイベント屋さんやプロを雇わない、素人団体です。
お客さんにも来てもらいたいし、石川県内の協力がどうしても不可欠。よそ者だらけの団体はずいぶん警戒もされたと思います。テレビや新聞メディアにも、アピールできるだけやりきり、協力も得られました。
そんな中、石川県の絹繊維産業が栄えた歴史に目をつけ接点を探り、何とか協力につながらないかと仲間とがんばります。今では廃れてしまって、組合もちょうどこの事業を準備している間に解散されてしまいました。それでも、少しでも、このファッションショー事業に力が欲しい、と、だめもとで働きかけたりも。努力の甲斐あって、小松シルクの名は残そうとがんばっている業界の方々がおられて、駆け込みでしたが協力を得ることができ、生地の提供も受けることができ、学生のコンテストやショーのウェディング等に使わせて頂きました。
ファッションショー事業に手を挙げたものの、ただデザインして、服を作ればよいというものではなく、振り返ってみれば、本当に、全部のプロセスをしっかりと味わうことができた経験でした。準備期間1年のうちで、数回の制作(徹夜)合宿をNPOの拠点で行い、ひとり、またひとり、と少しずつ参加メンバーが増え、なんとかステージまでこぎつけた、思い出深いファッションショー事業です。
ステージは好評に終わり、翌日はチャリティーマーケット。そう、ショーの作品だけではなく、バザー販売できる衣類、雑貨も準備しました。カンボジア支援だけではなく、ミャンマー支援にも参加し、孤児院の子達に作って日本で披露できる物を準備したりもしました。私達のチームだけではなく、色んな方がそれぞれに準備された色んなものが80店も並ぶ楽しいバザーでした。
こうして、ファッションショー事業だけではなく、色んな事業が同時に行われ、一人ひとりの努力あって、国際ハートエキスポ事業全体から、550万円もの寄付金を人道支援事業に充てることができて嬉しかったです。
ご参加、ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
(国際ハートエキスポ2007石川の記録ホームページはこちらです。)
作品については、【ファッションショー事業の記録】をご覧下さい。
2007年7月、特定非営利活動法人CEALOグローバル・ハーモニー・ジャパンが主幹となり、実行委員会形式で実施された、国際ハートエキスポ2007石川というチャリティーと国際協力協働事業に参加し、7月8日の金沢市観光会館にて行われたチャリティーステージを飾る、ファッションショー事業を担当しました。
このファッションショー事業は、カンボジアの村への人道支援事業活動に参加し、手織りシルクの村の訪問(2006年5月)から始まりました。そして、仲間を呼びかけ、プレ・イベントと称した、ミニステージでこのシルク生地を使ってデザインした衣類を試作披露(2006年9月)。協力、参加、メディアへの働きかけを仲間と手分けして続け、2007年7月、2000人の観客席を臨む本格的ステージで、ファッション専門学生対象のコンテストを行い、他の音楽やダンス部門を担当した仲間と、ミュージック&ファッションショー(カジュアル〜フォーマル〜着物〜ウェディング)を行うことができたのです。
デザイン、パターン(製図)、縫製、モデル、コーディネート、そしてステージ構成や音楽、と、規模は小さくても全ての作業、工程をふまなければ、たとえ試作のプレ・イベントのステージでもショーにはなりません。ボランティアメンバーを探すのにも一苦労。最初は、本当に数名からはじめました。それぞれに、仕事や家庭がある以上、限られた時間で、全く離れた地域に住む者同士でプロジェクトをすすめるのは至難の業。
ファッション業界で十数年仕事をしていたので、だいたいの察しはついていたものの、メンバーのほとんどは趣味で裁縫をする程度か、現役を退いて長くたってしまった素人集団。大変でしたが、終わってみれば楽しい思い出です。中心で動いたのは、40代、50代の女性。あんなに、底力が残っていた?!と、思わなかったですね。
それから、開催地(各メンバーには縁はない地)が石川県とあって、そこにアプローチするのも一苦労でした。自分達が経験した、専門学校時代(ファッション)を思い出し、地元の学生達にも参加してもらおうと働きかけましたが、なかなか前に進みませんでした。
やっと、メンバーの出身校系列でもある、金沢文化服装学院が、開催の5ヶ月前になって手を上げてくれました。それから、学校訪問や説明会を繰り返し、まずは、カンボジアのどんなところでどんな風に織られた生地かを知ってもらったり、人道支援について、なぜこのイベントを開催するかの意義を理解してもらわなければいけません。
学校側とのミーティングを重ね、学生には、クメールシルクを使って学生が作品を作り、コンテスト形式でステージ発表する、という企画で参加してもらうことになりました。専門学校の学生達とも、自分達の学生時代とどうしても比べてしまい、熱のなさにやきもきしてみたり...。
しかし、ミャンマーからの研修生が実際に来日し、学校訪問をしたあたりから学生にも変化が見え始め、独自にハートをテーマにコラージュを作ったり、コンテスト作品作りにも力が入ってきたようでした。
当日1週間前には、カンボジア、スリランカからも子ども達やNGO関係者の人たち30名が来日し、学校を訪ねたり、リハーサルをやっているうちにだんだん盛り上がってきたのをよく覚えています。また、現地協力NGOとしてつながりのある、カンボジアのプリンス・プリンセスが来日し、学校訪問して下さったことも、学校側の励みになったかもしれません。
カンボジアの村にも、開催までに2回訪れました。ここで色んな問題点も見えてきました。ファッションショーイベントを成功させたい!という気持ちがあって、この生地が使いたい!!と、思っても、NPOの支援は、技術的な指導でも、買い付けでもないので、作った人がごまかしたり、うそをついたり、または、汚れが反物の中で少しでもあったら、引き取らないのです。
また、あの暑さの中、反物を全て広げて計り直し、品質チェックをする作業は、大変でした。買い物気分でいるとえらいことになります。村のペースと何が自立になるのかを最優先させ、支援を行う...。そこから、よく出来たものだけ引き取ることにより、村の人たちが収入を得ることができる。というわけです。
交通は木の小船だけ、というこの貧しい村で、一生懸命向上しようと努力して織られたシルク。それを汗水流して指導、支援するNPO活動...。色が落ちる、縮む、ほつれやすい...、いろんな問題がいっぱいのシルクですが、現地を見て、人々に触れて、自分も汗を流すと、そんなシルクでも何とか生かそうと必死になります。
この村のシルク支援の苦労もさることながら、アジアの途上国から子ども達やNGO関係者が30名も来日したり、全国各地から200名のスタッフが集まる大きな事業。お金を使わず、みんな「自分が何ができるか」を実践するために集まった素人集団。ある分野のプロはいても、横にその分野でつながりがあるわけでもなく、団体的にはイベント屋さんやプロを雇わない、素人団体です。
お客さんにも来てもらいたいし、石川県内の協力がどうしても不可欠。よそ者だらけの団体はずいぶん警戒もされたと思います。テレビや新聞メディアにも、アピールできるだけやりきり、協力も得られました。
そんな中、石川県の絹繊維産業が栄えた歴史に目をつけ接点を探り、何とか協力につながらないかと仲間とがんばります。今では廃れてしまって、組合もちょうどこの事業を準備している間に解散されてしまいました。それでも、少しでも、このファッションショー事業に力が欲しい、と、だめもとで働きかけたりも。努力の甲斐あって、小松シルクの名は残そうとがんばっている業界の方々がおられて、駆け込みでしたが協力を得ることができ、生地の提供も受けることができ、学生のコンテストやショーのウェディング等に使わせて頂きました。
ファッションショー事業に手を挙げたものの、ただデザインして、服を作ればよいというものではなく、振り返ってみれば、本当に、全部のプロセスをしっかりと味わうことができた経験でした。準備期間1年のうちで、数回の制作(徹夜)合宿をNPOの拠点で行い、ひとり、またひとり、と少しずつ参加メンバーが増え、なんとかステージまでこぎつけた、思い出深いファッションショー事業です。
ステージは好評に終わり、翌日はチャリティーマーケット。そう、ショーの作品だけではなく、バザー販売できる衣類、雑貨も準備しました。カンボジア支援だけではなく、ミャンマー支援にも参加し、孤児院の子達に作って日本で披露できる物を準備したりもしました。私達のチームだけではなく、色んな方がそれぞれに準備された色んなものが80店も並ぶ楽しいバザーでした。
こうして、ファッションショー事業だけではなく、色んな事業が同時に行われ、一人ひとりの努力あって、国際ハートエキスポ事業全体から、550万円もの寄付金を人道支援事業に充てることができて嬉しかったです。
ご参加、ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
(国際ハートエキスポ2007石川の記録ホームページはこちらです。)
作品については、【ファッションショー事業の記録】をご覧下さい。